2020年はコロナウィルスの影響で大打撃を被った航空業界。
たくさんのフライトがキャンセルとなり、ガランとした空港になるなんて誰が想像できたでしょうか。
そんな2020年の航空業界を振り返っていきたいと思います。
新型コロナウイルスを時系列で振り返る
まずは新型コロナウイルスがどのように広まっていったのかを時系列で振り返ります。
中国で原因不明の肺炎患者の報告あり
中国の湖北省・武漢市で原因不明の肺炎患者確認
武漢での肺炎を注意喚起。武漢からの帰国者で咳や熱などの症状がある場合は、速やかに医療起案で受診し、渡航歴を申告するように呼びかけ。
武漢の肺炎を新型ウイルスの可能性が否定できないと発表
中国武漢の肺炎患者の男性(61)が死亡。死者は初めてとみられる。
- ついに日本で初めての感染確認。武漢に渡航していた中国籍の男性
- 中国の大型連休(春節)を前に訪日ビザの発給ピーク。1日26,000件もの申請がある日もあるようです。
深センに住む66歳の男性の感染を確認。さらに北京でも2名の感染を確認。武漢以外の場所で初めて確認された。武漢では198人の感染が確認され、3人が死亡した。
50代女性の感染を確認。12月から仕事で中国武漢に滞在していた。
武漢は公共交通機関の運行を停止、駅や空港を封鎖。封鎖は4月8日まで2か月半続けられました。
中国武漢から帰国を希望する日本人を乗せたANAチャーター機の第1便が羽田に到着。
1週間前は緊急事態には当たらないと判断していたが、その判断を覆した。
- 2月1日から水際対策として入国拒否
- 新型コロナウイルスを指定感染症に指定
乗客約2,600人、乗務員約1,000人が長期間船内での待機を余儀なくされた。このクルーズ船では712人の感染が確認され、13人が死亡した。
神奈川に住む80代女性が新型コロナウイルスで死亡。
3月2日から全国すべての小学校、中学校、高校などは春休みに入るまで臨時休校するように要請。この突然の発表は木曜日の夕方、登校可能日は金曜日のみで翌週月曜日から休校という事で現場は大混乱。
2月28日から3月19日までの3週間で北海道民に対して特に週末の外出を控えるように呼びかけ。
4月に予定されていた日本訪問の延期を発表。
入国規制により中国、韓国からのフライトが一斉に運航不可となる。
イタリアでは2月下旬から感染が拡大し、1日の感染者数が1,800人近く増えたため外出を控えるよう求める異例の措置に踏み切った。
過去2週間で中国以外での感染者数は13倍に増え、感染が確認された国は3倍、今後さらに増えると予想され、新型コロナウイルスはパンデミックと言えると評価。
フランスでも感染が拡大し、市民の外出を大幅に制限する措置を開始。
警察や医療従事者など一部の仕事を除いてすべての社員や従業員などの出勤を禁止し、外出を控えて自宅にとどまるように求めた。
ついにオリンピックの延期を決定。遅くとも2021年夏までに開催で合意。
オリンピックの延期が確定し、ようやく東京都が動き始め、外出を控えるように緊急記者会見。
- 世界のすべての国と地域からの日本人を含む入国者に2週間、自宅やホテルなどで待機を要請。
- アメリカ、ヨーロッパのほぼ全域、インドネシア、タイなども入国拒否として、73の国と地域に拡大。
- 多くの国民から失笑された布マスク配布を発表。総理大臣以外つけている人を見たことはなかった。
東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に5月6日まで緊急事態宣言
遊興施設など、大学や学習塾など、運動や遊戯のための施設、劇場など、集会や展示を行う施設、商業施設。さらに居酒屋を含む飲食店には朝5時から夜8時までの営業要請。協力金も支払いへ。
それまで多かったイタリアを抜いて世界最多に。
- 7都府県だけに出していた緊急事態宣言を全国へ拡大。5月6日まで。
- 一律10万円給付を表明
ついに感染者が1万人超え
5月31日まで延長を発表。ただし5月14日の専門家による判断では前倒しで解除の宣言も可能性あり。
39県は解除だが、北海道、東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫、京都の8都道府県は継続。
4月7日に出された緊急事態宣言は約1か月半ぶりに全国で解除。
移動自粛要請を全国で緩和、飲食業なども休業要請を撤廃、イベントも一定の人数や収容率のもとで開催可能となった。
東京で124人の感染が確認されるなど、2ヵ月ぶりに全国の感染者数が200人を超えた。その後7月9日には東京だけで224人、全国で300人越え、7月10日には全国で400人超えと増加傾向になる。
感染者増の東京は直前で外したが、感染の再拡大が続く中GoToトラベルが始まった。
ついに1日の感染者が千人を超えて、今までゼロだった岩手県で初の感染者確認
スペイン、オランダ、フランス、イギリスなどで再拡大に対する措置が相次ぐ
イベントの参加人数の上限を5,000人の制限を8月末までとしてきたが、9月末まで延長を決定
夜間の外出禁止で厳しい罰則規定を設け、感染拡大に歯止めをかけようとする動き
札幌市内で連日100名を超える感染者が出ており、不要不急の外出自粛を要請
- 通常助けられる命が助けられなくなると医療崩壊の危機を連日伝える。GoToキャンペーンの停止、営業時間の短縮、移動の自粛要請などの対策をすぐに実行するように国へ要請
- GoToトラベルで札幌市と大阪市を目的地とする旅行を対象外へ
イギリスでアメリカ・ファイザーとドイツ・ビオンテックが開発した新型コロナウイルスワクチンの接種が各地で開始。2回の接種が必要
12/16-1/10までほとんどの小売店の営業を禁止、学校も閉鎖すると発表。クリスマスを前にした厳しい措置
地域限定にしていた今までの方針を一気に転換し、全国一斉停止へ。12/28~1/11まで。
変異種が発見され、ドイツ、イタリア、オランダなど各国がイギリスからの旅客機の受け入れを停止。中東地域もイギリスからの旅客機の受け入れを停止。
2週間待機で受け入れていたイギリスと南アフリカからの入国を除外。中韓など16か国・地域からの受け入れはそのまま継続。
世界の航空会社のコロナウイルスによる破綻のまとめ
かねてより敬遠不振に陥っていたフライビーは新型コロナウイルスの感染拡大による航空需要減も追い打ちとなり3月5日に経営破綻を発表した
7期連続で赤字計上しており、オーストラリア政府に支援を求めていたが拒否され、新型コロナウイルスの影響で需要が急減し4月21日に事実上の経営破綻となった
コロンビアの1919年創業の老舗航空会社が新型コロナウイルス流行で3月半ばから旅客事業を停止し収入が80%以上減少し破綻。業務を維持しながら再建を目指している
LCCの台頭などにより2019年12月期まで3年連続赤字を計上。さらに新型コロナウイルスの影響を受け会社更生手続きを申請することを決定し事実上の経営破綻
チリを拠点とし、145都市結んでいたがコロナ禍で4月初めから運航を95%縮小していたが経営破綻をして業務を維持しながら再建を目指している
まだ問題は残っているものの、大韓航空によるアシアナ航空買収が進んでいる
日本の航空会社のコロナウイルスの影響
日本の航空業界もかなりの打撃を受けているのは周知のとおりです。
エアアジアジャパンの廃業には本当に驚かされましたが、そのくらい厳しい状況というのも事実です。
正直私が勤務している航空会社は国際線のみとなりますが、私や社内のメンバーではこのコロナが始まって以下のような認識でした。
- 1月:なんか中国で流行り始めたのはニュースで見たけど、まだ特に影響なし
- 2月:騒がれ始めてキャンセルが目立ち始め、日によってはフライトキャンセルも。しかし過去のSARSやMARSも2~3か月くらいで戻ってきたので、そこまで長引かないだろう
- 3月:一気に国際線の運航が厳しくなり、各社、全面的なフライトキャンセルも出始めた。しかしゴールデンウィーク前くらいには便は減らしてでも復活するかな
- 4月:これはゴールデンウィーク明けても無理。お盆くらいまでには何とか戻るかな?
- 5月:もうこの状況ではしばらく厳しい!!何とか秋くらいには戻れるか?
このような感じで、当初はある意味甘い認識でいました。
ここまで長引くとは思ってもいませんでしたし、空港から国際線のフライトがなくなる日が来るとは夢にも思いませんでした。
しかしこんなことが現実に起こってしまいました。想像以上の事が起こりえるという事が証明されたという事になります。
航空業界もそうですし、観光業もそうですが、平和産業です。
世の中が平和である事が第1条件になります。戦争もそうですが、こういった病気もそうであり平和でなくなってしまうと最初に削られてしまう部分であります。人として生きる最低限の衣食住ではないですからね。
平和であって、少し余裕があって始めて観光に行くので今のこの状況ではどうしようもありません。
報道によると年末の羽田空港は異例の満席便なしだそうです。それでもお盆よりは多いようですが、航空会社の稼ぎ時で超ドピークである年末年始がこの状況です。
航空業界が過去最大級に厳しい状況となった2020年でした。
2021年の航空業界の展望
さて、2021年はどういった展望でしょうか。
感染者がどんどん増え、感染拡大が続いており何一ついい状況にはなっておりません。
あとは世界各国で接種が始まっており、日本でも2月頃から開始となるワクチンに期待するしかないのが実情です。
万が一再度緊急事態宣言の発令などになると、また一気に落ち込んでしまう事でしょう。
また4月、5月のような外出自粛になれば、この航空業界、観光業界のみならず飲食業など多数の業種が危機的な状況になってしまいます。
なんとかそれを回避するためにも今は拡大防止が大事であり、早くワクチンが効いてこのコロナウイルスもインフルエンザと同じような感じになってくれればいいのですが…。
海外旅行需要の回復は早くても2021年10月とみています。あくまでも希望的観測ではありますが・・・
海外の場合は相手国の問題もありますので、すぐに全世界解禁というのは難しいとは思いますが、観光で行き来できるようになれば海外旅行は爆発的に戻ってくるとは思っています。
ただし、それがいつなのか・・・。それだけですね。
戻るのが遅ければ遅いほどさらなる打撃を受けます。
とにかく1日でも早い復活を願うのみです。
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