本部(本社)機能とはどういったところでしょうか。
各地域(国内・海外)に支店があり、それを統括するのが本部(本社)です。
私の働いている外資系エアラインは、本社は海外のその航空会社の所属している国の拠点都市にあり、日本を統括する本部機能が東京にあります。
日本の航空会社、JAL、ANAは当然東京にあります。
JALのホームページを見てみると本部というものだけでかなりありますね。
本部(本社)とは
- 監査部
- 安全推進本部
- オペレーション本部
- 旅客販売統括本部
- 路線統括本部
- 貨物郵便本部
- 運航本部
- 整備本部
- 客室本部
- 空港本部
- 秘書部
- 総務本部
- 経営企画本部
- イノベーション推進本部
- IT企画本部
- 経営管理本部
- 財務・経理本部
- 人材本部
- 調達本部
さらに旅客販売統括本部の中に国内、海外、WEB販売本部や路線統括本部の中に路線事業戦略部、商品・サービス企画本部、国際提携部などもあります。
本部(本社)の役割とは
この本部や本社で、新規路線や撤退する路線、販売戦略、価格戦略、価格登録、広告宣伝、機材調整、乗務員のシフト等々、とにかく広範囲にわたる業務があります。
本部がマーケットの状況を把握し、的確に動ければ、その会社は競争市場で優位に立てるでしょう。
逆に本部が市場の動きを把握せず、現場からの意見も聞かずに机上の空論でマーケットに会わない政策を進めれば、競争マーケットでは厳しい状況に立たされるでしょう。
外資系航空会社の場合、日本各地に支店がある航空会社は東京に統括本部がある場合が多いですが、そこでは日本地域の価格戦略(本社との交渉)、広告宣伝、日本の販売目標管理などを行います。
ただし最終的な決定権はすべて本社にある事が多く、どうしても本国の意向で決められてしまうことも多くあり、日本側の意見が通りづらいなどの問題点もよくあります。
国が違うと商習慣も全く違いますので、本国の意向が日本マーケットに合うのかという事もあります。
さらに日本に赴任してきたトップの方が本社の重要ポストの人たちとどれだけ繋がりがあるかや、どの部署から異動してくるかによっても会社によってはかなり変わることもあります。
私が思う本社の大事な戦略
私は本社での勤務経験はございませんので、営業支店から見て感じていることです。本社(本部)には様々な意向はあると思いますが、勝手な思いを記載させて頂きたいと思います。
- 機材運営(新機材導入などの機材調達)
- 路線管理(新規就航計画など)
- 機材スケジュール管理(発着時間、機材ローテーションなど)
まず最初に、機材整備、パイロット・キャビンアテンダントの乗務員の安全教育など安全面が最重要事項という事は当たり前のことであり、それがあっての次なる戦略になります。
機材運営(新規機材導入などの機材調達)
航空会社にとっての機材は非常に重要です。(当たり前ですが)
さらに新しい機材ほど安全運航に対し最新設備が施されており、燃費も良かったりと安全面、経費的にも新しい機材に越したことはありません。
ただしボーイング社やエアバス社に依頼してすぐにできるわけでもなく、数年かかりますので、計画的な運営が必要です。
さらにエンジンはどこの会社を使うのかによっても変わってきますし、ビジネスクラスを何席、プレミアムエコノミーを作るのか作らないのか?シートピッチは?エンターテイメントはどうするのか、そして大前提として何の機材を何機依頼するのか等、会社の方針により変わってきます。
大型機材で長距離路線中心に行くのか、小型機材で中近距離路線中心にしていくのか等も非常に重要です。
路線管理(新規就航計画など)
どの都市に1日何便飛ばすのか、何時に飛ばしたら乗り継ぎするお客様も獲得できるのか、新規就航都市開拓など非常に重要です。新規就航に関しては国と国との路線県の問題などもあるので好き勝手には出来ませんが、路線計画は本当に重要です。
ただ昨今LCCが増えてきたことにより、飛ばしてみたが不採算路線ですぐに撤退という判断も増えています。
機材スケジュール管理(発着時間、機材ローテーションなど)
定時運行は非常に大事ですが、時にはトラブルが発生します。機材故障、天候による遅延、空港混雑による遅延など様々です。
どこの航空会社も飛行機を飛ばさないと利益を生みませんから、保有機材を次から次へと、到着したら次の都市、到着したら次の都市と飛ばしていきます。
しかしどこかで遅延が発生するとその機材で運行する便はどんどん遅れていきますので、どこかで調整が必要です。
遅延が多ければお客様の不満が増えますし、次からその航空会社を選ばなくなるかもしれません。少しでもそういったことを解消していくためにも、飛行機のオペレーションをしているところは非常に重要な部門になります。
航空会社の本社で働きたい方はどうしたらよい!?
まず外資系航空会社の立場から言いますと、日本で採用された人で、その航空会社の本国の本社勤務になるという人は聞いた事ありません。まずないと言っていいと思います。
日本でしたらJALやANAなどの日系航空会社の子会社ではなく本体の総合職で入れば、航空会社の全体像を動かせる様々な仕事を経験できると思います。
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