てるみくらぶ 破産について思う事




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てるみくらぶの破産が大きな波紋となっている。

てるみくらぶは2017年3月27日(月)、東京地方裁判所に破産を申請し、破産手続きの開始決定を受けたと発表した。

【負債総額】 約151億円

■内訳
▶消費者が99億円
▶国際航空運送協会(IATA)のBSPデフォルト(債務不履行)が4億円
▶ホテルやランドオペレーターなどの関連業者約95社が14億円
▶金融機関が32億円

【件数・人数】

消費者については申込件数で約3万6000件
人数で8万人から9万人に影響が出るという。

東京商工リサーチによれば旅行業界では4番目に大きな倒産で、リーマンショック後では最大規模となる。

なぜ破産したのか

1998年12月に設立し、当初は、航空会社から余剰座席があれば安く仕入れ、格安ツアーを作り販売するというビジネスで拡大していきました。
「通常は出ない座席が出た時、航空会社に一番に声をかけてもらえる旅行会社として伸びてきた」という。

ところが昨今、航空会社の直販化、エアーオンリーの販売の増加、機材の小型化などにより、てるみくらぶの特徴が低下。
チャーター利用のツアーなどの取り組みも進めたが、大手旅行会社と同じ高い金額でも仕入れるようになり、収益が悪化。
2015年からは、新聞広告展開を開始し、シニアターゲットにシフトしたが、広告費がかさみ、さらに経営状況が悪化したという社長の説明があった。

運営者が思う破産の原因

てるみくらぶのことは、よく知っています。
ただ正直言いまして、取引していても大丈夫なの?この会社は?と思う事は多々ありました。

航空運賃より安いツアー代金

ホテルも組み込まれたツアーにも関わらず、出した航空運賃の発券金額より安い事がよくありました。
確かに初売り等、キャンペーンをするときに人数限定などで超格安ツアーをすることはありますが、てるみくらぶは年中やっていた感じでした。
お客様にとっては当然安くて良いですが、心配になるくらいの安さでした。

近場だけではなく、ヨーロッパの長距離商品もよく販売しておりましたが、これも安かった。
さすがに航空運賃より安いようなものはなかったと思いますが、現地費用を考えても、絶対に出来ないような価格で販売していました。

現金入金で割引!?

去年くらいから見たフレーズが現金入金で1%引きという文言。
現金入金で安くなるなら、現金で!って思うかと思いますが、なんでこうなるのか。
今思えば、支払うために現金を回収すべく、自転車操業となった経営のための苦肉の策だったのかと思えてきます。

異常に多かった新聞広告回数

もう見れなくなったてるみくらぶのホームページですが、新聞掲載された際は必ずホームページにも何月何日、〇〇新聞掲載と必ず掲載されてました。
しかも新聞1面広告というのも多く、詳しい金額は出した地域によって異なりますが、相当高額ですよね。
その広告費を回収しなければならない旅行代金が安く利益もなければ、そりゃ悪化していきます。

思いつくだけでこのくらいは出てきました。
他にも当然いろんな要因はあったかと思います。

破産により航空券はどうなっているのか?

国際航空運送協会(IATA)のBSPデフォルト(債務不履行)となっており、チケットが発券されているにも関わらず、3月10日前後の航空券発券分より航空会社にはお金が支払われていない状況です。
という事は、航空会社はEチケットを持っているお客様を搭乗拒否できるのかと思うかもしれませんが、日本では航空会社は発券済みの航空券をお持ちのお客様は搭乗させなくてはならない事になっております。

国土交通省航空局は7月10日、航空会社と国際航空券の発券代理店に対して「航空運送契約と国際航空券の取扱いについて」と題した通達を発出した。内容は、eチケットの発券をもって航空運送契約が成立するというもの

引用:トラベルビジョン|国交省、「eチケット発券で航空運送契約成立」−ゴーイング問題再発防止で通達

上記の通り、国土交通省の通達により、発券済みのお客様は基本ご搭乗させなければなりません。
ただ航空会社の判断によっては、搭乗を拒否されているというニュースも見ております。
外資系航空会社などは、本国にいくら説明しても本国のスタッフが理解せず、問答無用に拒否されるかもしれません。
もし搭乗できなくて納得がいかず裁判すれば勝てるかとは思いますが、そこまでする方はいないのではとは思います。

現地のホテルなどはすでにキャンセルされていますが、それでも航空券さえあるならば行きたいと思う方もたくさんいらっしゃいます。
Eチケットをお持ちの方は、事前に可能な限り航空会社は確認し、連絡先等わからない航空会社は当日空港へ行きトライしてみる事をお勧めします。

残念ながらEチケットがお手元にない方は、たぶん未発券だと思われます。
さすがに未発券ではさすがの航空会社もご搭乗させることは100%ありません。

てるみくらぶは比較的発券が出発ギリギリでの発券が多く、4月以降ご出発予定のお客様は、ほとんどが未発券ではないかと思われます。

今後の旅行会社への影響について

この件でお客様は一時的に大手旅行会社への回帰がおこると思います。
やはりインターネット系の安い格安旅行会社は危ない。JTBやHIS、近畿日本ツーリストなどの大手じゃないと怖いという流れです。

確かにこのてるみくらぶの件は金額も大きく、被害にあわれた方も非常に多く、こういった思いをするなら多少高くても安心な旅行会社へ申し込もうという流れになるでしょう。そう思う気持ちも当然わかります。
ただどの会社も当たり前ですがてるみくらぶのような、正直無茶苦茶なやり方はしていません。
ですので最終的にはお客様のご判断ではありますが、格安インターネット旅行会社=危ない とだけは思わないようにお願いします。

私も一時期旅行会社で働いていましたので、旅行会社の方へもお願いしたいのですが、
旅行会社にとって、お客様から来た予約は、チケット取ってホテル取って、レストラン予約して以上。と思うだけかもしれません。
ただその予約を依頼したお客様にとってその旅行は、一生に一度かもしれません。その家族での旅行が最後かもしれません。
何年も積み立てしてようやく出発の旅行かもしれません。

そのようにお客様にとっては大事な大事な旅行なんです。

実際私も旅行社にいたとき、添乗で海外へ行きました。
とあるツアーで、3名のお客様でお父さんと娘2人(父70代、娘二人30~40代)という組み合わせのお客様がいました。

無事ツアーは終了しそのお客様からも楽しかったと言っていただいたのですが、帰国後約1か月後でそのお父さんが亡くなられたと聞きました。
そうなんです、その海外旅行はその家族での最後の旅行だったんです。
行った娘さんからもいい思い出になりましたと言われ、その時心に刻んだことがあります。

一つの航空券、ホテルの手配、ツアーの手配もきちんとミスなく、最高の旅行にするように努力する!という事を思いました。
特に添乗に行くならお客様と一緒ですから、とにかく参加者全員に笑顔で必ず帰ってもらう!という事を思いました。

ニュースで孫とのハワイ旅行を予約していたのに、今回の件で行けなかったというのを見ました。
ああいったニュースを見ると、2度と旅行社は破たんを起こしてはいけないと再認識しました。

今回のてるみくらぶの破たんは様々な影響を及ぼします。。
ただこれをきっかけに業界全体が健全化していけば良いなと思います。

てるみくらぶの件、皆様はどう思われますか?




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