日本で起こった生中継の胴体着陸。記憶にある方もいらっしゃるかと思います。
若い機長のパーフェクトな着陸で見事前輪が出ないというアクシデントにもかかわらず無事に生還しました。
事故の概要
- 航空会社 全日空
- 事故現場 高知龍馬空港
- 機材 ボンバルディアDHC8-Q400
- 日付 2007年3月13日
- 概要 前輪が出ず、胴体着陸となった
- 出発地 大阪国際空港(伊丹空港)
- 目的地 高知龍馬空港
- 乗客数 56名
- 乗務員数 4名
- 死者数 0名
- 生存者数 60名(全員)
機体異常の発見
2007年3月13日8時49分、高知空港への着陸態勢に入ろうとしたが、前輪が出ず。手動操作でも前輪が出せるように設計されている機体だったため、手動で出そうとしたがこれでも前輪は出ず、着陸の際の衝撃で前輪を下ろすために「タッチ・アンド・ゴー」をしたがこれも成功しなかった。
機内、空港での様々な対処
- 燃料消費
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小型機のため非常時に燃料を投棄する設備はなく、2時間あまり空港上空を旋回し燃料を消費し、燃料へ引火する恐れを少しでも減らした
- 乗務員の緊急着陸に対する的確な指示
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前方を軽くするために、一部の乗客を後方座席へ移動させ、万が一に備え「ネクタイをしている人はネクタイを緩めるように」や緊急時に危険になりそうなものは洋服から外すように指示するなど冷静に対応
- 滑走路への消火剤散布
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高知空港の滑走路は閉鎖されたため、消火剤を滑走路へ散布し少しでも胴体着陸で起こる可能性のある発火を防ぐように対処
緊急着陸開始
離陸から約2時間30分後、10分くらいの燃料しかなくなったため、着陸作業開始。
着陸に対する懸念点は以下の通りです
- 胴体着陸のために機体が折れないか
- 機種下部が接地する際の火花からの火災
このような危険性がありました。
その緊急着陸の映像がこちら
無事に着陸できた要因はこちら
機長をはじめ乗務員の冷静な対応が胴体着陸でも死傷者ゼロの生還を生み出しました。
乗客もパニックになることなく、機内が冷静だったのも乗務員の方々の対応のおかげです。
適切な緊急着陸操作をした機長(当時36歳)には称賛の声が集まりました。
乗客の声
高知新聞に当時の声が残っているので紹介します。
- 最前列に座っていた男性(47)
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桂浜が見えてから4,5回旋回した後、一度降りたのに、また上昇したのでどうしたのかと思った。
- 会社員男性(34)
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「前輪が下りない」というアナウンスがあった時が一番怖かった
- 会社員男性(36)
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着陸5分前に、前の座席に手をついて、頭をかがめて、衝撃に備えるように説明があった。
- 会社員男性(51)
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「あと10分くらいで着陸しないと燃料が切れる」というアナウンスがあった。さらに機長から「常に訓練しているので心配しないでください」と落ち着いた声でアナウンスがあった。
- 旅行会社員男性(33)
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着陸時は最初普通だったが、機種が地面についたときはガクンと衝撃があって前のめりになった。何度も飛行機に乗っているが、こんなことは初めてで怖かった。
- 会社員男性(37)
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エンジンの真横の席だったので、火花が見えて驚いたが、着陸の衝撃はなかった。機長が「火災の心配はありません」など落ち着いてアナウンスしていたので心配なかった。
- 男性
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着陸時は、ザーッとすべる感じ。みんな額に重ねた手を合わせて、前のシートに頭をつけていた。着陸した時、おーっと歓声が上がって自然と拍手が沸き起こった。ホッと一息ついた。すぐ妻に電話した。
上記乗客の声を参照した高知新聞のページです。
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