航空アライアンスとは
航空アライアンスをひとことで説明すると、『エアラインが主に運航やサービスなどの分野において、国の垣根を越えて協力関係を結ぶ提携グループ』といったところです。
現在は世界の大手航空会社のほとんどすべてが、これら3つのアライアンス(スターアライアンス・ワンワールド・スカイチーム)のいずれかに加盟しています。
スカイチーム加盟航空会社一覧
3つのアライアンスの供給量をあわせると、世界の航空業界の60%以上を占めており、その後も加盟会社は増え続けていますから、3大アライアンス が占めるシェアはさらに拡大しています。
さらに、2016年5月にLCCアライアンス『バリューアライアンス』が設立されました。
加盟航空会社は、バニラエア、セブパシフィック航空、チェジュ航空、ノックエア、ノックスクート、スクート、タイガーエア・シンガポール、タイガーエア・オーストラリアの8社。加盟航空会社はアジア太平洋地域の160以上の就航地へ176機を用いて路線ネットワークを提供、世界の3分の1のエリアをカバーしています。
アライアンスのメリットとは
①コードシェアによるネットワークの拡大
航空会社がアライアンスを組むのは、主に運航やサービスの面でお互いにメリットがあるからです。そのメリットのひとつが、コードシェア便の運航による、自社ネットワークの拡大です。
コードシェアとは、2つ(またはそれ以上)の航空会社がそれぞれの便名を付けて、共同で運航する形態です。共同といっても、便に使われている飛行機を所有している航空会社が、自社のパイロットと客室乗務員を自社機に乗務させて運航しています。運航管理や乗客の受付、管理などの業務も同様に行っています。アライアンスに加盟しなくても、2社間でコードシェア便を運航する例はありますが、アライアンスに加盟すると、より密で広範なコードシェアが可能になります。
(例)
現在ANAが北米線で自社便を運航するのは、ニューヨークやロサンゼルス、ホノルルなど10都市のみ。けれどもANAのウェブサイトなどを見ると、米国だけでも約100都市へ、すべての区間をANA便として予約できます。これはANAがユナイテッド航空などスターアライアンス加盟他社との間でコードシェア便を運航し、それぞれにANAの便名を付けているから。例えば成田からマイアミ行きを検索すると、ANA174便(成田—ヒューストン)とANA6502便(ヒューストン—マイアミ。ほかにも組み合わせはいろいろあります)が出てきますが、ANA6502便はユナイテッド航空の機材とサービスで運航されます。逆に日本の国内線においても、ANAの運航便にユナイテッド航空やアシアナ航空などアライアンスの加盟会社が自社の便名を付けて運航しています。
②乗り継ぎ
空港のサービスも共有化が進んでいます。
成田空港は、第1ターミナル出発ロビー南ウイングに2006年6月よりスターアライアンス加盟航空会社が集結しています。2016年6月にはレイアウトを一新しさらに、 自動チェックイン機も最新型に更新された。従来型から処理速度を向上するとともに預け手荷物のタグ印刷を可能とすることにより、カウンターでの待ち時間の短縮を実現しました。これに伴い搭乗時は、まず自動チェックイン機で搭乗券を受け取り、続いて手荷物預けカウンターで受託手荷物を預ける2段階の手続きとなります。
ウィーン空港でもスターアライアンスターミナルがあり、30分の最短乗継時間を実現しています。
アライアンスの加盟会社を乗り継ぐ場合は、基本的に成田で全行程のチェックインができ、手荷物も原則として最終目的地まで預かってもらえます。出国審査を通過した後も、ファーストクラスとビジネスクラスの利用者、および加盟各社のマイレージプログラムの上級会員は、各アライアンスの加盟会社のラウンジが使えます。マイレージファンはよくご存知でしょうが、いずれかの加盟会社の上級会員(一部の下位のステイタスは除く)の資格があれば、エコノミークラスを利用するときも原則として各社のラウンジが使えます。
③マイレージ提携
アライアンスの核となるのが、マイレージプログラムでの提携です。
マイレージは、搭乗距離や区間数に応じて、無料航空券などの特典がもらえる人気のサービスであり、アライアンスの加盟会社同士では、マイルの相互加算、特典の相互利用ができます。
例えば「スターアライアンス」なら、全日空のマイレージの会員が、ルフトハンザに乗って全日空のマイルをため、そのマイルをシンガポール航空の無料航空券の特典に交換するといったことも可能です(加算率や対象となる航空券の種類、特典に必要なポイント数などは、各プログラムによって異なる)。
④世界一周などの共通商品
アライアンスには共通の運賃が豊富に揃います。代表的なのは、加盟会社のフライトを乗り継いでぐるりと地球をめぐる世界一周運賃。
料金と利用条件はアライアンス により異なりますが、例えば「スターアライアンス 」で日本発のエコノミークラスを利用する場合は30万円台から。またビジネスクラス利用は70万円台から、ファーストクラス利用でも110万円台から(それぞれ諸税等が別途必要)と上級クラスでも比較的リーズナブルです。
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