過熱したインバウンド需要
2016年のインバウンド数は、ついに2000万人を超え、一気に2400万までいきました。
2003年から始まったビジット・ジャパン・キャンペーンは、当初の目標は2010年までに訪日外国人旅行者数を1000万人にすることでした。
目標を初めて超えたのは、2013年に1036万人を超え、その3年後一気に2000万人も突破。
2016年のインバウンド需要は、2403万9千人と過去最高を記録しました。
国別の訪日者数
第1位 中国
6,373,025人(過去最高)
爆買いが終了し、落ち着いたかに見えた中国市場も過去最高の600万人を突破しました。
買い物以外にも日本の魅力を感じ来られている方がたくさんいるのではないかと思います。
別の要因として、韓国・中国間のミサイル配置に対する報復で中国側の韓国への渡航を控えるようにした施策が出たことも、その分日本への観光客増加につながったともいえると思います。
あとはクルーズ船の大幅な増加も要因の一つです。
第2位 韓国
5,090,353人(過去最高)
初の年間500万人突破。九州への渡航も多く、熊本地震の影響で一時期落ち込みましたが、それ以外の都市でカバーし、さらに増え続ける韓国LCC就航が渡航者数を後押しし、こちらも過去最高を記録しました。
第3位 台湾
4,167,472人(過去最高)
日本との関係が良好で、政治的な問題もない日台関係のおかげと台湾も多くのLCCの就航により座席数が増加し、初の年間400万人突破しました。
1位から3位までは近隣の国であり、アジアの国で全員バウンド数の7割以上を占めております。
いづれも過去最高を記録し、日本への渡航が海外の国でブームになっていると言えます。
なぜこれだけインバウンド需要が増えたのか?
当然いろんな要因があるかと思いますが、主な要因として
・日本の観光地としての魅力が高い
・日本食に対する高評価
・円安による現地滞在コストダウン
・LCCの就航による移動費のコストダウン
があげられるかと思います。
新目標 4000万人の実現性
2020年東京オリンピックの年には4000万人の訪日外国人旅行者数をという新しい目標が出来ました。
今の勢いがあれば当然可能と思われる方も多いでしょうが、私としては課題の方が多く、こういった課題がクリアできなければ達成は困難だと思います。私が思う課題としては・・・
・同一都市への外国のお客様の集中
→外国のお客様が大都市(東京・大阪・京都・福岡・札幌など)に集中しており、その都市の宿泊施設は慢性的な混雑です。
いかに地方都市へ外国のお客様を誘致できるかが今後の課題です。あとホテルの数を増やしていくのも重要です。
・入国の問題
→関空などでは外国人入国レーンはかなり行列ができ、1時間以上は普通にかかると聞いたことがあります。
スムーズな入国も今後の課題です。爆発的に増えるインバウンドに対し対応できてない結果かと思われます。
・公共の場における無料WI-FIの普及や看板の外国語表記等
→外国のお客様にとってわかり易い街づくりも必要です。例えば電車・地下鉄などのわかり易い外国語表記。
特に東京の地下鉄は日本人でもわかりにくい時もありますので、外国の方にとってはなおさらわかりません。
最後に
日本の人口がどんどん減っていき、購買力が落ちていく中、インバウンド需要の獲得というのは非常に大きな意味があると思います。今後観光立国へと成長していくにあたり、観光素材というのは日本のポテンシャルは非常に高いと思います。
あとはいかに分散して日本のあちこちへ外国人の方に訪問して頂くか。ここが大事な事だと思います。
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