米ユナイテッド航空 強制引きづり下ろしについて思う事

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ユナイテッド航空の機内から強制的に引きづり下ろされた方の映像が衝撃的ですね。

この件でかなりユナイテッド航空は世界中から叩かれてます。スマートフォンでの撮られた動画が拡散してますから、さらにこの騒動に拍車がかかっているという印象があります。
確かに、ああやって強制的に引きづり下ろすことは日本では考えられないと言いますか、絶対に起こらないと思います。

いくつかこの件で、私が思ったことを書きたいと思います。

目次

●そもそもなぜ搭乗完了後に乗客を下ろさなくてはならなくなったのか。

通常、オーバーブッキングであれば、搭乗前に別の便や他社便へご搭乗頂ける方を探します。オーバーしたままでは定員以上に搭乗券は出ませんからね。
今回はそうではなく、搭乗完了後に何らかのユナイテッド航空側の理由で、急遽乗務員4名を該当機に乗せなくてはならなくなったため、機内でお客様を下ろす事になったようです。
確かに自社便に乗務員が次のフライトのためなどの理由で搭乗することはよくある事ですが、通常は事前に決まっており、あらかじめ航空会社の方でも名前は入っていないもののお客様に取られないように予約記録が作成されています。
このように急にお客様にお金を払ってでも降機させるというのは、会社が事前に座席を取っておくのを忘れていたのか、不測の事態が起きやむを得ない処置だったのか、そこは定かではありませんが、どちらにしても通常はあり得ない事です。

●オーバーブッキングって悪い事?

今回の件は、上記に書いた通り、オーバーブッキングではないですが、座席数より過剰に予約を取るオーバーブッキングについて、テレビや書き込み等でも間違った認識をされている方がいらっしゃるので、航空会社からの立場で少し書きたいと思います。

確かに、当日まで座席以上に予約を取っていて、当日まで解消させず、空港で希望者を募るという行為は良くはないと思います。
ただ、航空会社は、座席数と予約数をぴったりにすること(要するに満席、搭乗率100%)が最大の目標であり、1席でも空いて飛ばすという事は、会社の利益を損ねる事であるため、とにかく搭乗率100%にするために予約をコントロールしていきます。

飛行機の予約では様々なことが起こります

➀予約していたのに当日空港に現れない(NO-SHOW)

➁予約記録が発券されずに、発券リミットを過ぎて自動でキャンセルされる

▶これは航空券の券種により発券リミットは様々です。発券しなければキャンセル料がかからないため、ギリギリまで発券しない方がいます。
インターネットでのサイトでは即決済・即発券のためこういった事は起こりませんが、旅行会社経由での予約ではこういった事が出来ます。

➂旅行会社からの予約で起こりえること

▶旅行会社が予約をする場合によくある事なのですが、例えば本来取らなくてはならない航空会社はA社だが、今は予約が取れないため代案でB社を押さえている。
A社が取れた時点で、B社の予約記録はキャンセルする。
▶例えば□□会社の社員旅行を受注しました。会社の社員数は30名。ただ全員行くことはないので30席予約を取らなくてもいいと幹事さんに言われたのですが、もし全員行くという事になり座席数が足りないと困るから、30名で予約を取っておき、名前が出そろって余った分はキャンセルする。
▶募集モノのツアー(新聞等で募集しているツアーなど)は水ものです。集まれば良いですが集まらない時もあります。30席予約していて、30席ぴったりと集まることはむしろ稀なことであり、必ずキャンセルというものは発生する。

他にも様々な理由はありますが、オーバーブッキングしながら予約はコントロールをしていかないと、絶対に満席にはできません。

過去のデータというのが蓄積されていますので、そういったデータに基づき航空会社の端末が自動で判断するというシステムを導入している会社もありますし、その路線担当者の経験とその路線の特徴を把握し、どのくらいまでのオーバーなら大丈夫。と担当者の裁量でコントロールする会社もあります。

どちらにしても、どの会社にもその路線の予約を担当するスタッフがいますので、その担当者次第というのはあります。

海外路線でも当日まで予約数は動きますので、身近な国内線では当日まで必ず動きがありますよね!
ですので、オーバーブッキングという事自体は航空会社の自衛策でもあり、どの航空会社でもやっているという事をご理解いただければと思います。

万が一オーバーブッキングを認めないというとなるとどうなるか・・・
満席で飛ばすというのが非常に難しくなりますから、航空運賃は値上げという事につながると思われます。

全日空のサイトでは、フレックストラベラー制度のご案内として掲載されています。

フレックストラベラー制度とは?
ご予約をお持ちのお客様の数が座席数を上回り、座席が不足した場合、当該便を予約済みのお客様の中から、ANAが提示する協力金額および代替交通手段に同意され、自主的に便の変更等についてご了承いただける方を募り、ご協力いただいたお客様に対して、協力金のお支払いおよび代替交通手段の提供を行う制度です。
引用:全日空ホームページ

最後に・・・

今回のユナイテッド航空の件
シカゴ~ルイビル間は、約300マイル=482KM
陸路で行けない距離ではない・・・
最後の手段でお金+陸路でご自宅までと言ったら、機内で良いよという方いなかったのかなぁと思ってしまいました。

お客様に言わせれば、陸路で行くのは乗らなきゃいけなくなったユナイテッドの乗務員だろ!と思うかもしれませんね。



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