ハワイ空の旅で火花、JALが王座から陥落へ

Yahoo!ニュース(東洋経済オンライン)

貴重な長期休暇となる年末年始を海外で過ごす人は多いだろう。その定番がハワイだ。毎年テレビ番組では多くの芸能人が渡航する様子が放映されている。

ハワイへと飛行機を飛ばす航空会社にとっても稼ぎ時だ。この年末年始のハワイ路線の予約率は、日本航空(JAL)が88%、全日本空輸(ANA)が87.3%といずれも他路線と比べて高い水準を維持している。

特に60年以上ハワイ路線を運航してきたJALは今、高まる旅行需要を取り込むべくさまざまな販促を行っている。成田ーホノルル線では2016年10月から2017年3月にかけて多くの臨時便を運航中だ。

また、この年末年始の12日間限定で羽田ーホノルル線にファーストクラスを設定した。ハワイ路線のファーストクラスは、ジャンボ機(ボーイング747-400)の撤退以来6年ぶりとなる。普通運賃は往復で175万1400円、1機あたり8席が用意されているが、「売れ行きは好調」(JAL広報)だという。

■ハワイアン航空がJALの牙城を崩した

テロや伝染病、天候などのリスクが小さいハワイは、旅行先として高い人気を維持している。旅行会社エイチ・アイ・エスによれば、5年連続で年末年始の海外渡航者数トップだ。そんな「金のなる木」を米国の航空会社も見逃すわけがない。

今JALの牙城を崩しにかかっているのが、米ハワイアン航空だ。

2016年、ハワイアンは矢継ぎ早に新規路線の運航を始めた。7月に成田ーホノルル線を、そして12月21日からは羽田ーコナ線(週3便)を開設。12月22日からはコナ線の運航のない日を活用して羽田ーホノルル線を週4便増やし、既存便とあわせて週11便となった。

こうした拡大を受け、日本からハワイへの定期便の座席数シェアで、ハワイアンはJALを追い抜きトップに立つことになった。

長年JALが守ってきたハワイの牙城がついに崩れた格好だ。背景には、この1年ほどでJAL自身が座席数を大きく減らしていることがある。

2016年1月以降、羽田、成田、関西国際空港、中部国際空港のハワイ路線でプレミアムエコノミークラスを相次いで導入し、エコノミークラスが減少。さらにこの12月からは新仕様の機体が順次導入され、若干だがさらに座席が減る方向だ。

ここにハワイアンの成田、羽田の新路線が重なり、シェアトップの座が入れ替わったのだ。座席の供給量は大幅に増えたが、「年末年始の予約率は昨年並みを維持している」(ハワイアンの宍戸隆哉・日本支社長)という。

■ハワイ島直行便が6年ぶりに復活

今回ハワイアンが就航したコナは、ハワイ州の中でも最大のハワイ島に位置する。コナコーヒーや、活火山のキラウエアなどで知られる。JALが2010年に撤退して以来、6年ぶりの日本路線復活だ。ハワイに旅行する日本人の6割はリピーターであり、ホノルルのあるオアフ島以外にも行きたいという需要は一定数ある。

就航初日のコナ線は、搭乗率が90%を超える盛況ぶり。ファミリーやカップル、友人のグループなど、客層は幅広い。グローバルセールス担当のテオ・パナジオトゥリアス上席副社長は「ハワイ島は自然が豊富で景色もきれい。まずは旅行会社とも協力しつつ、路線の知名度を上げていきたい」と意気込む。

単純なコナとの往復のほか、羽田からコナに飛び、そこから国内線でホノルルへ向かい、ホノルルから羽田へ帰るといったルートも可能だ。「選択肢を増やすことが重要」とパナジオトゥリアス氏は強調する。

ハワイアンの国際線において、今や日本は最大市場。2010年に羽田就航で日本に進出してからわずか6年ほどだが、羽田や成田のほか、関西国際空港と新千歳空港にも乗り入れるまでになった。

規模の拡大に伴い、2016年3月には従来日本で2人だけだったハワイアンの社員を16人に増やすなどの体制強化を発表。販売面で攻勢をかけている。

■JALは一部ハワイ路線撤退も

羽田路線を拡大したハワイアンには、しばらく有利な状況が続きそうだ。というのもJALは来年4月以降、羽田ーホノルル線から撤退する可能性が高いためだ。

2010年の経営破綻からの再建過程で公的資金の注入を受けたJALは、ANAとの競争環境是正のため、新規路線・投資が制限されてきた。同社が羽田に持つ米国行き発着枠は2つで、現在はホノルルとサンフランシスコへ飛ばしている。

■JALは羽田撤退か、ANAは巨大飛行機投入

制限がなくなる2017年4月以降、JALは羽田からニューヨークなど東海岸への路線開設を検討中だ。だが羽田の枠は2つしかないので、現在の路線のどちらかをやめざるを得ない。これに関して同社の幹部は「収益性の高いビジネス需要を重視すれば、ホノルル線撤退が基本的な方向性」と明かす。

もっとも数年先を見れば、ハワイアンの行く手にも大きな脅威が待ち受ける。2019年にANAが世界最大の旅客機、エアバスの「A380」の導入を予定しているからだ。1機当たり500席以上という巨大な機体が乗り込んでくれば、たちまち価格競争に陥ることは目に見えている。

ハワイ路線に特化したハワイアンとは異なり、ANAのような路線網の大きい航空会社の場合、普段出張などでマイルを貯めるビジネスユーザーが、休暇時に特典航空券に交換してハワイなどリゾートに行くことができる。ハワイの定期便としては珍しく、ファーストクラスを設けるのも、そうした高いグレードへの需要を見込んでいることが大きい。

ハワイアンもこうした事情を理解しているが、「レジャー路線、そしてハワイに特化しているからこそ差別化ができる」と前出のパナジオトゥリアス副社長は自信を示す。「サービスや機内のインテリア、機内食など、飛行機に乗った瞬間からハワイでのバケーションだということを感じてもらえる」と語る。

ハワイ路線に群がる航空会社の戦いは、これからが本番だ。

情報源: ハワイ空の旅で火花、JALが王座から陥落へ (東洋経済オンライン) – Yahoo!ニュース

運営者よりひとこと

以前はホノルルと言えばJALというイメージが強かったですが、時代は変わりましたねぇ。しかし本当に勢力図が変わるのは、ANAのA380導入時ですね。約500席を埋めるのはリゾート路線では本当に大変だと思います。そこで価格競争になると、外資系航空会社はすぐに撤退を決断するでしょうね。
それから関東地区以外の遠方のお客様をどれだけ取り込むか。そういう意味でも日系の方が国内線を持っている分有利だと思われます。

いづれにしてもホノルル線はますます価格競争になっていきますね。

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